第2昭南丸が接岸 シーシェパード船長逮捕へ(産経新聞)

 環境保護標榜(ひようぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」のメンバーが侵入した日本の調査捕鯨船団の監視船第2昭南丸が、拘束したメンバーを乗せ12日午前、東京港の晴海埠頭(ふとう)に接岸する。東京海上保安部は12日、艦船侵入容疑で、船員法に基づいて身柄を拘束されている抗議船「アディ・ギル号」船長のピート・ベチューン容疑者=ニュージーランド国籍=逮捕する方針だ。

 公海上の日本船に違法に乗り込んだ不審者を逮捕し、国内法の刑事手続きに乗せるのは初めて。

 逮捕容疑は、日本時間の2月15日午前9時ごろ、南極海で調査捕鯨活動中の第2昭南丸に別の抗議船から水上バイクで接近し、違法に船内に立ち入ったとしている。アディ・ギル号は1月6日、南極海で第2昭南丸と衝突して大破しており、チューン容疑者は防護用のネットをナイフで切り裂いて乗り込んだ際に、第2昭南丸の船長に「衝突の責任は第2昭南丸にある。3億円を請求する」などと書かれた書簡を手渡したという。

 ベチューン容疑者をめぐっては、日本時間の2月11日に酪酸入りの瓶を投げ入れて乗組員3人にけがをさせた疑いもあり、傷害や威力業務妨害容疑など、一連の妨害行為での立件にこぎ着けられるかどうかが、今後の焦点になる。海保はベチューン容疑者を降ろした後、第2昭南丸を専用岸壁がある横浜港に移し、船内の実況見分を始める。

 逮捕容疑の艦船侵入罪は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が規定されている。在宅捜査も想定されるうえに、着岸時にメンバーが逮捕の不当性を訴える可能性もあり、「逆にSSの活動を宣伝することにつながりかねない」と逮捕には慎重論もあった。

 ただ、ベチューン容疑者は、ニュージーランド人で日本国内に住居がないことから、海保などは逃亡の恐れがあると判断して逮捕に踏み切ったとみられる。SS側は「調査捕鯨をやめさせるため、日本の法廷で闘う用意がある」などの声明を出している。

 2008(平成20)年にSSメンバー2人が日本の捕鯨船に乗り込んだ際、日本政府は反捕鯨国のオーストラリア政府に2人の身柄を引き渡して事実上釈放したことで、「甘すぎる」と批判を浴びていた。今回のケースでは、発生直後に赤松広隆農水相が厳正な対応で臨む方針を表明。日本の司法手続きに乗せて刑事処分する方向で関係機関で調整が進んでいた。

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